まんぼうレシート福岡県の書店組合が今年7月から始めた販売証明シール制度、通称「まんぼうシール」

万引き防止の為とはいえ、客が買った新刊本に粘着質のインクを使ったシールを貼るという本好きには看過し得ない制度を開始した。正規の顧客を犠牲にするという暴挙としか言いようのないこの制度に、書店を利用する人々からの批難が殺到し、組合のサイトBBSにも批難の声が多数書きこまれた。

この件に憤りを覚えた私は7月以来、新刊の購入は全て通販で購入していた。


あれから4ヶ月。いままんぼうシール制度がどうなっているのか気になって、久しぶりに書店でコミックを購入してみた。

購入した店はヨドバシカメラマルチメディア博多にある「あおい書店」。コミック3冊を手に持ち、レジに並ぶ。店員の対応は以前と同じ。「まんぼうシール」については何も言わない様子。

おや、ここではシールやってないのかな?と思っていた所に、レシートを渡される。そこに噂のまんぼうシールが1枚貼ってあった。とにかくこの書店ではシールを貼って良いかどうかは聞かずに、レシートに貼って渡すらしい。

まあ、そうなるわな…。いちいち客ひとりひとりに貼っていいですか?と聞いて、1冊、1冊にシールを貼るというのは店員にしてみればしんどい。客としても、さっさと支払いを済ませて帰りたい。効率性を考えて、あくまで制度に従うというのなら、こういう対応になって仕方がないかな?とは思った。また、一応は制度が継続中である事は解った。


聞くところによると書店によって対応はまちまちらしいから、この書店のやり方が一般的だとは断言できないけど、だいたいの書店ではこういう風にやるか、シール自体を止めてるかどちらかだと思う。もしかしたら、今でも真面目にやってる店もあるかもしれないけど。

たけど、こういうやり方では、万引き防止の実質的抑止効果はないと言っていい。これなら、まんぼうシール自体に意味はないじゃないのか? 正規の購入証明なら単に書店のレシートだけでは駄目なのか?

書店側の形だけでも制度に参加してますよという姿勢を組合に見せるという意味合いもあるだろうが、あまり意味のある行為だとも思えない。ただ単に、無駄にシールを書店に購入させ、シールを貼る行為でレジ店員の手間を増やしているだけではないか。

いつまでこんな無意味な行為を続けるのだろう。組合も各書店の事を本当に考えるなら、一刻も早くこの制度を取りやめる、もしくはもっと実のある対策に変えるなどの行動が必要なのではないだろうか。

書店側もある意味被害者であるのかもしれない。組合が各書店に対してどれだけの影響力があるのかは解らないけど、組合側の決定に嫌々ながらも付き合わなくてはいけない面もあるようだ。全国チェーン規模の大手書店ならそれに逆らう力はあるだろうけど、小さな個人経営の書店などは従わざるを得ないのかもしれない。自分たちで自分たちの首を絞めてどうするのだ?書店組合さんよ。


あまりに短絡でお粗末なこの制度の行く末を、書店利用者の一人として、今後も見守って行きたいと思います。


ちなみにこの記事は、万引き防止対策自体に異議を申し立てるものではありません。

ただ、それによって一般の普通に、真面目に本を買っている人たちに負担を強いるのはおかしいのではないかということ。

本を売る人たちが綺麗な本が欲しい、本を大切にしたいと思う消費者の気持ちをまったく無視して制度を始めたということ。

そして制度自体に不備が多すぎること(古書店側の協力や、一部書店の協力が得られていない、利用客の理解も得られていない、万引きしたほうが綺麗な本が手に入るという矛盾、古書店に売るつもりのない万引きに対しては無意味、等)などの理由で、私は今後もまんぼうシール制度については異議を申し立てて行きたいと思います。

昨今の本の万引きの多さは、深刻な問題だと思うし、それによって書店が閉店に追い込まれる事には、本好きとしても憤りを覚える。犯罪防止にはできるだけ協力したい気持ちはあるが、協力できる限度というものがあるし、効果の期待できないものに協力する義理はないでしょう。

誰が得するのかは知りませんけどこういう無駄な事は早く止めてほしい。まかり間違って、全国に広まるような事態になるのは絶対に勘弁願いたいものです。



『本屋さんになる!』 書店・古書店を独立開業するためのアイデアとノウハウ『本屋さんになる!』 書店・古書店を独立開業するためのアイデアとノウハウ
岡崎武志+CWS

メタローグ 2004-07-14
売り上げランキング : 221313
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



■関連記事■
まんぼうシールってどうよ!?