このゲームに出会わなければ、私がエロゲに目覚めるのはかなり後になった事でしょう。それが、私が生まれて初めて買ったエロゲ「カオスエンジェルス」であります。


スミマセン!このゲームをクリアするまではエロゲというものを舐めとりました!


このゲームは、なんと天下のアスキーの出したエロゲで、パッケージのイラストなどをイラストレーターなどで有名な明貴美加さんが手がけたという、今考えるとすごいゲームでした。

学生の頃、PC98やX1やFMタウンズなどの高性能パソコンなど持ってなかった私は、ゲームやパソコン雑誌の袋とじ記事やエロゲの広告を見てドキドキしていたものでした。正直な話、パソコンを買ってエロゲをプレイすることはある意味、夢でもありました。

そんな中、特に気になっていたのがこのタイトル。広告の明貴美加のイラストは可愛くHで、どんなゲームなのか興味をかき立てられたものです。

高校を卒業してPCを所有した私が初めてエロゲを買うのに選んだのがこの「カオスエンジェルズ」というゲームでした。なにせ、エロゲなんて初めて買うもので、福岡天神のカホ無線で心臓バクバクで買ったのを覚えています。


当時のOSはMS−DOSで、メディアもフロッピーの時代。私が買ったのも5インチフロッピーディスク版でした。

不正コピー対策として「暗号解読書」みたいな紙がついていて、ゲームを遊ぶときに時々、そのコードを入力しなければいけないというものがありました。紙自体も濃い赤の紙に黒字で書かれていて、白黒コピーで複写できないようなものになってました。文字が読みにくくて面倒くさかったなあ。

ゲーム自体はダンジョンマスタータイプの3Dダンジョン探索型のRPGで、出てくる敵がみんな女の子タイプのモンスターというもの。そのモンスター(女の子)を倒したら襲いかかる事ができて、Hなグラフィックが拝めるという感じでした。

しかし、そのHなグラフィックを拝むのは最初からできる訳ではありませんでした。パラメーターにVITALITYというゲージがあって、戦闘シーンで1ターン毎に消費してしまうもの。これが残ってないと倒しても逃げられてしまうのです。しかも最大3ゲージしか値がなく、少なくとも2ターン以内に敵を倒す事ができなければ、ご褒美グラフィックを拝むことは出来ませんでした。

だからある程度主人公が強くなるまでHCGはおあずけです。なので最初のほうは悶々とさせられたものです。またモンスター(女の子)を襲うのはHCGを見る為だけではなく、キャラによっては相手の持っている特殊能力を身につける事ができたりします。


ストーリーとしては以下のようなもの。諸国を放浪していた主人公がある町の酒場で、へんな爺さんに会い、「最上階を究めたものは人の求める色と欲の全てを手にすることができる」ウロボロスの塔の伝説というのを聞かされます。

爺さんは50年前、その塔が満月の晩にだけ砂漠の彼方に出現する事を見つけましたが、鍵がかかっていて入れませんでした。そこに入るための鍵を50年かけて探し出したのですが、自分は年老い、色にも欲にも興味が無くなったんで、主人公にこの鍵を託すと言いました。

ウロボロスの塔を探しに砂漠を旅する主人公。何日も砂漠を探索する主人公だが、突然の砂嵐に巻き込まれます。砂嵐に倒れ、砂に埋もれた主人公が気付くと砂嵐は止んでいて、目の前に満月に照らされた塔が主人公の前に現れました。それこそが伝説のウロボロスの塔だったのです。…ていうような感じで始まるお話です。

主人公は基本的に塔の外にキャンプを張っていてそこで休憩やセーブ等をするのですが、伝説のとおり、月が満月にならないと塔が出現せず、塔内探索に出れなかったりします。それに、実は塔には満月の度に時間が巻き戻る魔法がかかっていたりもするんです。

なので、キャンプに戻り、次に月が満ちるまで待つと塔の中で変化させたものが元に戻ったりしていて、それが攻略のヒントになったりします。

主人公は敵を倒しつつ、いろいろな謎を解きつつ、塔を少しずつ登っていきます。中にはあっと驚くような仕掛けもあったりして、相当頭を悩ませる場面もありました。

さすがエロゲであっても後に様々な名作を残すアスキー製のゲームです。エロがあるからと油断して手抜きするようなものではありません。当時のRPGゲームとしては一般作に引けを取らない内容だったと思います。

当時、こういったエロゲって、「エロい要素があれば、ゲーム性や内容なんてどうでもいいんでしょう?」的なイメージがあった私は、ゲーム自体がちゃんと出来ている事に少なからず驚きを覚えました。

また、話や舞台設定、作品全体に漂う雰囲気も、どこか幻想的で退廃的で惹かれるものがありました。

そして何より私を感心させたのが、そのエンディングです。いい意味で裏切られたというか、想像とは違っていたにも関わらずすごく感激しました。


(今さら気にする人はいないでしょうが、以下ネタバレなので注意)


主人公を塔の伝説を教えた爺さん曰く「最上階を究めたものは人の求める色と欲の全てを手にする」ということでしたよね? だから最上階まで行ってクリアした先にはどんな酒池肉林が待っているんだろうと、そういう意味でエンディングは楽しみにしていました。

ところがです、エンディングで待っていたのはそういった予想を裏切る展開でした。

実はラスボスは幾度も魔法で輪廻を繰り返すうちにモンスターになってしまっていた王子だったのです。女の子モンスター達も同様で、侍女が魔法で輪廻をくりかえすうちに変化してしまった姿でした。

王子が正気に戻ると塔は崩壊してしまい、主人公は王子と侍女達を連れて脱出します。

王子達をオアシスに連れて行って、そこで生活を始める主人公。水を引き畑を作り、王子と侍女達の生活の場を作る手伝いをする主人公。王子がいるものの、多くの侍女達に囲まれてハーレム状態かと思いきや、主人公は王子の成長を見届けると、人知れずその場から旅立ってしまうのです。

予想外の展開にぽかんとしてしまいましたが、それまでロクデナシだと思っていた主人公をなぜかかっけー!って思ってしまいました。ああ、こういう結末もありだな、と。


エンディングを見る以前も、ゲームのシステムや独特の雰囲気などがかなり気に入っていて評価は高かったんですが、このエンディングで私はこのゲームは忘れられない名作となりました。そしてこのゲームを終えた時点で、エロゲに対するイメージがかなり変わったと思います。それくらい当時の私には衝撃的なゲームでした。

カオスエンジェルスというタイトルもゲームを終えて始めて意味がわかりましたね。混沌の天使達。ああ、なるほどなと言い得て妙だなって感心しました。ただ意味もなく女の子のモンスターを出すゲームじゃないって事にも感心しました。ちゃんとモンスターが女の子なのにも設定があったんですね。


そんなモンスターキャラにもけっこう萌えましたね。まあ当時は萌えなんて言葉なかったですが。特に5階のボス「バンパイア」には倒し方に気が付くのに苦労した事も手伝って、かなり萌えました。あとマミーとかクラーゲンとかドリアードとかが特に好きだったかな。まあ、みんな可愛いかったですね。

音楽も幻想的かつ退廃的な雰囲気がゲームの魅力を120%演出していて、今、思い返しても名曲揃いだったと思います。(参考:あめじすと のものおきごや

そんな訳で、このゲームに出会わなければ、おそらく私がエロゲオタになる事はなかったかもしれません。恐らく他のエロゲを選んでいたら、もっと違った印象をエロゲには持った事でしょう。

少なくとも、後にきゃんバニシリーズや同級生シリーズをするまで、私がエロゲに目覚める事はなかったでしょう。もしかしたら、それらのシリーズさえやらなかったかもしれません。

とにかく、私にとって「カオスエンジェルズ」というゲームはエロゲという括りを取り除いても、思い入れのあるゲームであり名作だと思っています。また、当時はネットもない時代。当然、攻略サイトもなく、また攻略本もありませんでした。すぐに攻略本に頼ってしまっていた私が自力で最後までクリアしたRPGは、このゲームくらいのものかもしれません。

メーカーがメーカーだけにリメイクされるなどという可能性がほとんどないのが残念です。おそらく黒歴史扱いでしょうからね。知る人ぞ知る名作って感じでしょうか。今の基準で言えばR−15指定あたりで出せそうな気もしますが、当時でこそ、面白かったという部分もありますからね。

まあ、そんな感じで、私のエロゲ趣味の原点であり、単にゲームとして思い入れの深い「カオスエンジェルズ」を今回は紹介致しました。


■参考■

Y_JINN's Home Page(原画の方のサイト)
http://www.yjinn.com/

カオスエンジェルズ攻略(攻略及び解説)
http://rustydreams.iza-yoi.net/kouryaku/chaosang/chaostop.htm

混沌天国(仮)(攻略及び解説)
http://www3.airnet.ne.jp/kotori/game/ca/index.html

カオスエンジェルズremind(ファンサイトイラストとか)
http://mahohon.kakurezato.com/car_top.html

ブロックさん忍法帖(ファンサイト)
http://chaos.syoutikubai.com/index.htm



※追記1
Wikipediaで知ったのですが、このゲームを手がけた小松浩章氏がお亡くなりになられているとのことで驚きました。ひじょうに残念です。ご冥福をお祈り致します。

※追記2
MSX MAGAZINE永久保存版3にMSX2版の「カオスエンジェルス」が収録されている模様。付属の公認エミュレーターで遊ぶことができます。


MSX MAGAZINE永久保存版3MSX MAGAZINE永久保存版3
アスキー書籍編集部

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