さきほど、ユニゾンシフト:ブロッサムの新作「Flyable Heart」をプレイしてました。いやー面白いね。やっぱ好きやは”学園もの”の恋愛ゲームって改めて思いました。それと同時にもしかしたら、こういうゲームは今後遊べなくなるかもしれないなあと、悲しい気持ちにもなりました。

そんな訳で、今回は、私がエロゲやギャルゲのジャンルで、”学園もの”が好きな理由を、いろいろとのべて行きたいと思います。また後半では一連のエロゲ規制問題と絡めて、現在、学園ものが規制の危機に晒されている実情を訴えたいと思います。


■学園ものはリアルなファンタジー。


暗黒の高校生活を送りました。

志望校になんとか滑り込んだ私でしたが、入学したときは、これからの高校生活、期待に胸を躍らせていました。その先に地獄の生活が待っているとはつゆほど思いませんでした。そこそこ楽しい中学校生活を送れた私は、高校になるともっと楽しい事がいっぱい待ち受けていると思ってました。

青春ど真ん中、人生で一番いい時期だと言われる高校生活を私は暗黒と絶望の中で過ごしました。恋愛なんてする余裕なんてなかった。私は周囲が楽しそうに過ごしている中を、うつむいて、引きこもり、泣いて、悩んで、耐えて過ごしました。

夢に見ていた、学園もののドラマや漫画やアニメで描かれているような楽しい高校生活とは無縁の日々でした。


私が学園もののギャルゲやエロゲが好きなのは、そういった得られなかった青春をもういちど疑似体験したいと思ってるせいかもしれません。いい歳したおっさんが何で学園ものになんか夢中になるの?って思われるかもしれませんが、いい年したおっさんだからこそ、そういうファンタジーに憧れるんです。

楽しい高校生活というのは他人にとっては過去かもしれませんけど、私にとっては永遠のファンタジーなんです。永遠の憧れなんです。これは楽しい青春時代を過ごした人には分からない心情かもしれませんけどね。

失った青春を、せめてフィクションの上でだけでも、経験してみたい。楽しんでみたい。そういう思いが強かったのかもしれません。


■学生じゃないからこそ学園ものを求めるのです。


その中でも特に彼女を作ったり恋愛したりというのは、憧れてたけど得られなかった、もうリアルでは永遠に叶えられない夢なんですよ。特別でなくてもいい、普通に高校生活を送って普通に女の子と仲良くなって普通に恋愛したかった。もう決して戻れない時代の夢。

私にとっては、学園ものは今となってはSFやファンタジーと一緒。それらよりも多少リアル感がある空想物語なんですよ。

得られなかった学園生活、ひょっとしたら得られたかもしれない学園生活。

もう一生経験できないであろう、その年代の初々しくも甘く切ない恋愛。そういったものをゲームで疑似体験することで、ある意味救われているのではないかと、わたしはそう思うんですね。


■物語の材料に事欠かないジャンル



また、高校生という時期は、大人と子供の狭間。誰もが自分が何者になれるかもわからない時期。基本的には何処にも所属しない、まだいろんなタイプの人間とつきあえる最後の時期。

大人になる前、青春時代特有のさまざまな悩みがある時代。異性のこと、友人のこと、将来のこと、そういった事を悩み、学び、成長しながら、自分を見いだしていく。大人へと成長していく。そんな時期だからこそ、いろんなドラマが生まれ、さまざまな人間を描け、成長を描ける。

恋愛に関しても、みんな経験が浅く、純粋で、まっすぐで、だからこそ、その時期だからこそ描ける恋愛物語が描ける。高校が舞台でなければ描けない物語というものがあるのです。


■舞台として優れている学園。



また学校特有の行事も舞台としては重要です。部活動や生徒会活動。体育祭、文化祭、夏休みに冬休みに春休み。クラス替え、定期試験、キャンプに修学旅行。話のネタにはことかきません。

そして日本人ならほとんどの者が経験した学生生活、ほとんど共通言語と言っていい学校生活が舞台として有効なのも逃れようのない事実。だからこそ、学園ものというのは基本的に多くの人に受け入れられて来たし、誰もが身近に感じられる舞台として、選ばれてきました。

世界観からまったく違う異世界より、リアルにあるもの、自分の経験したことのあるもの、身近なもののほうが受け入れやすいし、物語を創るほうも創りやすい。恋愛ものの物語の中でいちばん創りやすいジャンルがこの学園ものだと私は思います。


■なぜゲームである必要があるのか?


なぜゲームなのか?小説や漫画ではだめなのかというところは、やっぱり以前書いたように、自分の好きなキャラクターを相手として選べるところですかね?自分が好きになった相手と物語を進められるところとかでしょうか。まあ、ゲームならではの主人公のシンクロ率の高さとかもあるでしょうね。

そんな訳で、私はファンタジーやSFなども嫌いではないですけど、やっぱり学園ものが好きです。いくら歳をとっても学園ものを楽しみたいです。しかし、今、そういった学園ものの物語が危機に立たされようとしています。


■日本から学園もの恋愛ゲームが無くなるかも?



■ゲーム規制に待った。一方ソフ倫基準で規制してる業者「少女、生徒会、複数プレイ、逆レイプ」全て禁止 (痛いニュース)
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1277244.html


アブノーマルや性暴力描写に関しては、規制すべきではないと思いますが、心情的には理解できない事もありません。しかし、なんで少女とか生徒会が入っているのでしょうか。

生徒会ものとか私はけっこう好きなのに…。

そして


>所謂、中学、高校を意識させる様な「学園」「制服」系統も規制視野に入ってる。
>規制内容としては、学園内でのセックス描写、制服含んだセックス描写なんかが全規制対象になった。
>無論、パンチラ、乳首の描写も規制対象。



これはいくらなんでも…。

おそらく児ポ法の2次元描写規制の動きを受けてだとは思うけど、これはないと思いました。

あえて高校を学園と表したり、女子高生を女子校生と表してなんとか凌いで来たのに、ここまでの規制がもし実現すれば、学園ものは作られなくなってしまいます。


エロゲの規制だから全年齢対応のギャルゲすればいいじゃんって思うかもしれませんけど、正直、今のギャルゲの繁栄はエロゲが下地にあってからこそだと私は思ってます。学園もののエロゲが規制されると間違いなくギャルゲの市場も盛り下がるに違いありません。

そもそもこの手のゲームはHシーンがあればこそ、エロゲの市場だからこそ、売れるという側面もあります。不自然になってもHシーンを入れてエロゲとして売り出している純愛もののゲームの例は多いです。


また、やはり物語の内容によっては恋愛の結末としてセックスの描写が無いと不自然なものがあります。そういった描写を隠したり歪めたりするのっておかしいです。

たとえば、規制にパンチラ規制というものがあります。テレビアニメやコンシューマーゲームなどではパンチラを規制しているため、どんなに動こうと、どんなアングルになろうとパンツが見えないという現象が起こってます。

「鉄壁スカート」とか言われてますが、これに違和感を覚える人も多いでしょう。物語に集中している時に、こういう外の事情による表現規制が入ったりすると興ざめしてしまいます。規制なんだから仕方がないと思うけど、そう思う事こそが、視聴者を物語りの世界から目覚めさせてしまうのです。

エロゲという市場があったからこそ数多くの名作が生まれたし、それがギャルゲや萌えの文化に大きな影響を与えている事は明白だと思います。そこを失うという事は、学園ものという大きなジャンルにどれだけの打撃になるか、強いては萌えの文化、ゲームやアニメ、漫画などにどれだけの悪影響を及ぼすか、考えるだけでも恐ろしいです。


■規制がはじまれば、エロゲだけに止まらない。



>無論これは「今のところ」18禁ゲームのみの対象だが、ゆくゆくは、少年誌や少女誌のそれらも
>規制対象になる予定。

エロゲを規制されると、次々と一般ジャンルまで食い込まれますよ。これはエロゲユーザーに止まる話ではないですよ。また暴力描写などの他の規制にも繋がりかねません。

性描写も禁止。暴力描写も禁止、あれも駄目、これも駄目。まさに教科書的な物語しか許されなくなる。そんなもん面白くないに決まってます。まさにうにリアル図書館戦争状態ですよ。あの話はひょっとしたら時代を予言していたのかもしれませんね。自由な表現があればこそ、名作が生まれるし、創作を規制するのは本当にナンセンスな話です。


■ささやかな楽しみをエゴで奪う悪魔たち。


学園ものというものは、私のような悲惨な青春を送った人間にとっては救いであり、慰めであり、永遠の憧れであるんです。

非現実なんて不必要だという人もいるでしょう。作り話に夢中になるなんて非生産的だと言う人もいるでしょう。でもそれが、必要な人間だっているんです。空想の物語から元気をもらったり、勇気をもらったり、それが慰めになったり生きる糧となったりする人間もいるんです。

厳しい現実の中で、ささやかな楽しみとしてそういった物語を求める人間もいるのです。そんなささやかな楽しみを自分たちのエゴで奪おうとする人間がいるのです。権力ともっともらいしい正論を振りかざして、他人の楽しみを奪おうとしている人たちがいるのです。私にとって彼らは悪魔以外の何者でもありません。

ただ、おかしいと思ってる人もたくさんいるので、こういう行きすぎた規制が簡単に通ってしまうとも思えません。とにかく、今後もこういった規制の動きは注意深く見守っていきたいと思います。


■まとめ


なんだか、学園ものの良さを書くはずが規制問題のほうにウエイトが置かれてしまいましたね。すみません。

そんな訳で、学園ものが好きな理由、みんなそれぞれあると思いますが、私のような理由の人もけっこう多いのではないかと思います。これからも、多くの学園ものを楽しんでいきたいですね。そして行きすぎた規制が実現しないよう祈っていきたいと思います。



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