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前回の記事はかなりの数のアクセスと、当ブログにしては多くのレスポンスをもらえました。私もネット上にある関連情報をいろいろと読んでみました。それらを読んで、この「エロゲ鎖国問題」は難しいさまざまな要素を含んでるように感じました。

この問題はエロゲ規制問題という大きな問題の中から派生した騒動ではありますが、この騒動ひとつとってみても、簡単に片付けられないろいろな課題が浮き彫りになってきていると思います。

今回は、この騒動から見る、外国人との情報交換や交流の難しさについてちょっと語ってみようと思います。


■外国人オタの世界にもいろいろある。



一口に外国人と言っても、問題の発端になった国である英国人、米国人をはじめとして、さまざまな国のひとたちがいる訳です。今回の騒動とは関係のない国の人間からしてみれば、なぜ俺たちまでと思う気持ちもわからないでもありません。

また海外のオタクの世界も、日本国内とはまた違った文化や流派がある訳で、そういった事情はなかなか日本人オタには分かりません。そういった事に関心のある人ならまだ分かるとは思いますが、今回の騒動は私を含めて多くの日本人オタが海外の事情をよく分からないまま、一部をとらえて反応してしまっているような感じがします。

前回の参照元であるSuzacu Late Showさんの記事で取り上げられていたSankaku Complexというサイトで書かれた内容は極端なもので、海外のオタクのスタンダードな意見ではないらしいです。Sankaku Complexとサイト自体を快く思ってない人たちも多いようで、そこを全体の意見だと早とちりしてしまった感もあります。あのサイトが外国人のスタンダードだと思わないでくれと、前回の記事にロシア人の方からコメントを頂きました。

日本のサイトですら、さまざまな思想や思惑で運営されています。運営する人間によって情報にベクトルがかかっているのは当然な事です。それは海外のサイトも一緒。国籍、宗教、文化などの影響もあって、国内以上に偏った情報を発信しているサイトが少ないです。

日本人だって、海外から粗悪なサイトを抜き出されて、これが日本人の総意だなんて言われるのは心外ですよね。このエロゲ鎖国騒動における日本人オタの反応に心傷めている外国人オタも多いようです。


■言葉の壁で正確な情報が掴みづらいといった状況。


言葉の壁がある以上、外国語の出来ない日本人は国外の情報を得るのにどうしても間に翻訳サイトなどのいくつかのサイトを経てしか情報を得れません。

外国人オタの意見→それを代表する外国サイト→それを翻訳、解説する日本サイト→外国オタの事情を知りたい日本人

少なくとも2つのサイトを間に介して情報を得る訳です。意図的にせよ偶然にせよ、その間にはそれぞれに取捨選択があり、それぞれのサイトの管理人の思惑が介入しているのです。正確で公平な情報を得る事は、国内の情報を正しく把握する事よりかなり難しいです。それは逆の場合でも然りです。日本人の真意が外国人に正確に伝わってるかどうかもかなり怪しいです。


それがさらに誤解が誤解を生んでスパイラルに陥ってしまう危険性もあります。今回の場合、

外国人がアクセス制限を批難→その外国人の対応を日本人が批難→その日本人の対応を他の外国人が批難→それを見た日本人が…

こういうどうしようもない状況に陥ってしまって混乱してしまっているような気がします。


■混乱に拍車をかける反日な人たちの存在。


また、この混乱に拍車をかける存在もいます。日本を快く思っていない人たちの存在です。日本人ならそういう存在に慣れてしまっているので気が付きやすいですが、海外のサイトでそういう連中に暴れられると、影響を受ける人も多いでしょう。

英語のサイトで英語を使って自分の国籍も告げずに意見を書いたら、それが英語圏のどこかの国の人間の意見だと思われるでしょう。また、英語のサイトであっても英語圏の国から来てる人間ばかりだとは限りません。英語にそれほど精通していない人間などは余計に気付けないでしょう。

そういう人間に間を引っかき回されてしまうという事が、情報の混乱に拍車をかけているような気がします。前回の参照元の記事のコメント欄や私の前回の記事にも、国籍を装って暴言を書きこんだ輩がいます。最終的には何処の国の人間か暴かれてしまったようですけど。


■今回の騒動の裏にある単純ではない構造


多くの良識ある外国人と、今回の騒動の発端になったような一部の過激な外国人、そしてそれを利用して日本と外国との対立を煽ろうとする某国人。またこの騒動を冷やかし、煽ってるるだけの調子乗りな日本人もいます。こういった状況にある事をしっかり認識してから判断しないと、お互い、しなくても良い争いをしてしまう結果となってしまいます。

今回の件、私を含めてみんなちょっと冷静になったほうがいいような気がします。日本でも騒動をおもしろがっているだけの連中も多いですし、これを機会に外国人を叩こうとしている本末転倒な輩も多いです。日本のメーカーや業界団体や国を非難する外国人に反論するのはかまいませんが、必要以上に外国人を排斥する必要もないです。くれぐれも行きすぎた言動は控えていただきたい。

ただでさえ、日本人や諸外国の人のふりをして、喧嘩を売りまくってる連中が存在するんですから。あくまで日本人は日本人らしく冷静にこの騒動を見守っていかなくてはならないと思います。


■日本人オタも外国人オタも騒動の行方を静かに見守るべき。


また外国人に対して抗議しろなどと言うのも止めて頂きたいです。下手なことをされると火に油を注いでしまいます。大人しく静観してもらったほうがいいです。これは日本人も一緒で、下手に行動するより、専門家であるメーカーや業界団体の動向を見守った方が良いです。その上で彼らからなにか要請があれば動くというような形で。どうか過激な行動に出たりするのだけは止めて欲しい。

今回の騒動に関しても外国人を責めるより、説得する方向で対処すべきだと思います。それでも叩いてくる外国人は放置の方向で。外国人という理由だけで排除するのは、日本人と外国人との溝を深めようと画策する奴らの思うつぼだし、やっぱり日本人は外国人を差別してるじゃないかと言う事を証明してしまう事にもなりかねません。理解しようとしてくれる良識ある外国人まで嫌うのは間違っています。


日本人も外国人も規制でエロゲやオタク文化が無くなることは望んでいないと思います。その意識は共通のものだと思うので、敵対する事は結果的にお互いの為にならないと思います。とにかく日本人オタも外国人オタも冷静になって、偏った情報で間違った判断をしないようにして頂きたいです。


■最後に

この問題の相関図を書いてみましたんで、参考までに。手早く適当に書いたのでいろいろ突っ込まれそうですが、ご理解頂ければと思います。

sakoku

※追伸(2009年7月3日)

Suzacu Late Showさんのところで新しい記事があがったようです。例の記事に対するレスポンスの翻訳が掲載されています。

やはり向こうでもさまざまな意見が交わされているようです。minoriや日本の反応を批判する人。人種差別だと騒ぐ人。それを諫める人。外国人を挑発する日本人(らしき人)。minoriの対応や日本の反応に理解を示す人。フェミニスト団体を糾弾する人。まさに賛否両論、混沌たる状況で、Sankakuの記事に賛成している意見が多い訳ではないようです。

また、一部の外国人の中には以前から何かにつけて人種差別だと騒ぎ出す人間がいるらしくて、レイシスト(人種差別主義者)と罵るのはなにも今回の件に限らず、また対象が日本人に限らずいるそうです。こういう人って、今回の規制騒動を仕掛けた「なんでもかんでも女性差別と言い出す似非フェミニスト」たちと考えの構造が一緒ではないかと思います。

こういった件を語るときは、外国のコミュニティーにはこういう人間がわくということを覚えておかなくてはいけないと思います。

また、おかしな日本語を書き込む、自称日本人も所々で見受けられます。これに完全に釣られちゃってる人も。読んでいて歯がゆいです。


minoriが第二の告知文を載せた後は、minoriの意図を理解しようとする外国人も増えて、かなり落ち着いたとのこと。ただ、レスポンスの参照元がSankakuではないので正確な比較にはならないですけど、翻訳文を読んだ限り、多くの外国人がminoriの呼びかけに理解を示しているように思えます。


ビジュアルアンテナ(ビジュアルアーツのオフィシャル)の告知文

PLEASE PLAY THE GAME OF YOUR COUNTRY IF YOU PRAY FOR THE WORLD PEACE!:-)
あなたが世界平和を願うのなら自国のゲームで遊んでね!:-)


が、もじりやパロディの格好のネタにされたという所は、日本も外国も、こういうのをネタに使っておもしろがる部分は同じなんだなあと、ちょっとだけ笑えました。



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